2016年の秋、石川・富山うつわの旅では、たくさんの作家さんの工房を訪れました。その際、繊細であたたかな作風に惹かれ、川合孝知さんにもお会いしたくて連絡先を探したのですが、残念ながらお会い出来なかったのです。
今年の2月、川合孝知さんの個展が開催されると知り、赤坂のギャラリーに伺いました。オーナーに事情をお話ししたところ、ご親切に川合さんに連絡を取ってくださいました。そしてようやく川合さんとお話ししてみると、北尾正治マキさんと親しくされていることがわかり、ご縁に感謝しながら、3月に訪問することになりました。
小松空港までお迎えに来ていただいて、石川県能美市のご自宅兼工房へ。
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玄関には九谷焼のランプシェード。
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工房内には、宝の山のようにたくさんの作品があり、私はうれしくてひとつひとつ手にしました。そしてお話を伺いました。
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川合さんは静岡市生まれ。そして、日本大学生産工学部に進学されます。学生時代から、製造業に就くと決めていたそうで、卒業後は自動車部品メーカーへ就職されます。
その後、やはり手に職をつけたい、と考えた川合さんが選んだのが、焼き物の世界なのだとか。それで静岡から石川へ移り、石川県立九谷焼技術研修所に入所されます。絵を描いたこともなく、九谷焼どころか、焼き物のことも全く知らずにこの世界に飛び込んだというのですから、驚きです。焼き物を作りたくてではなく、職業として焼き物を選択されたのです。
このようなお話をとても飄々と語る川合さんですが、作品は愛情に満ちていて温かいものばかりです。そのギャップが何とも面白いです。
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現在、作家としての活動は、生地は奥様が挽き、川合さんが絵付けをされています。瑞々しい絵の具で描かれる川合さんの絵付けは、とてもやわらかく、楽しい物語の世界が広がっています。
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これから、常設展や特別展で川合さんの作品のお取り扱いが始まります。ぜひ、たくさんの方にご覧いただきたいです。